化学コンビナート計画と運営

近年、 経済の急成長がもたらした環境破壊の問題や世界的な環境保護意識の高まりを受け、中国は循環型経済の発展と環境調和型工業コンビナートの建設が、地域の持続的な発展並びに経済と環境がWin－Winの関係を形成する社会を実現するためには重要な措置であるとしています。

現在、中国において、環境調和型の工業コンビナートが相次いで建設されていることに伴い、その経済的利益や、環境改善効果も徐々に現れ、人々の環境調和型工業や循環型経済理念に対する理解は高くなってきているといえます。

中国政府は、“十一回五カ年計画”から“十三回五カ年計画”の期間内に省エネと排出削減、持続可能な環境政策に対して言及しており、環境調和型工業コンビナートの建設は急速な成長段階に入っています。

このような環境の中、ハイケム（グループ）では、化学工業分野における日中の架け橋として、日本の大手化学企業の先端技術を紹介すると同時に、中国の現状に適したエコ産業へのアプローチを検討してまいりました。また、川下製品の高付加価値化に尽力し、川上・川下一体化、及び労働集約型産業の発展を目指しています。

石炭が豊富な陝西榆林区域において、ハイケム（グループ）は多くの日本の大手化学企業の技術を取捨選択し、化学コンビナートに最適なプロセスルートを設計しました。また、C1産業チェーンの中からエチレングリコールの製造や、MTOにおける川下製品の開拓に力を入れています。ハイケム（グループ）は顧客の各方面における現状や優位性をまとめることで、石炭から天然ガス製造、オイル製造など石炭高度化工分野での提携活動に注力し、中国の石炭高度化工の発展を推進しています。

即ち、ハイケム（グループ）は 顧客の立場に立って、現地の資源優位性に着目し、日中両国の技術優位性をまとめることで、化学総合コンビナートにおける一般的な“環境保護と経済発展”の矛盾の問題を抜本的に解決しています。同時に、エンド製品の差別化と経済性も高め、“自然資源→高機能性製品→再生可能資源“という新たな思想の基に、古い産業コンビナートシステムに新しい方向性を見出してしています。

合資連携

2015年5月8日、北京興高化学技術有限公司（以下、ハイケム北京支店）と新疆生産建設兵団天盈石油化工股份有限公司（以下、天盈公司社）は、天盈公司社の 30 万トン/年‐エチレングリコール(一期 15 万トン/年-エチレングリコール)において、SEG技術ライセンス契約を締結しました。ハイケムグループは、主にSEG技術ライセンス供与、触媒の供給、品質保証、ユニット供給等を担当します。ハイケム北京支店は株主として中国初の天然ガス由来の合成ガスからエチレングリコールを製造するプロジェクトに参画しました。

天盈公司社は2014 年 4 月に設立した、資本金は6億人民元の企業です。同社の事業内容は天然ガス化工、石油化工、石炭化工等のプロジェクトへの投資です。天盈公司社は新疆生産建設兵団国有資産監督委員会によって運営されており、主に新疆生産建設兵団石油化工有限責任公司（以下、兵団石化公司）が発起して設立されました。

兵団石化公司は、中国政府及び自治体政府から石油、天然ガス、石炭資源の配分、石油と天然ガスの探鉱・開発する権利を得ており、同じく中国政府から産業発展資金と産業関連の資源の輸出割当を得ています。兵団石化公司は天然ガス化工、石炭化工、石油化工、石油ガスの探鉱生産産業開発のプラットフォームであり、国有化工産業発展のプロの投資と資金調達のプラットフォームであり、同時に重工産業プロジェクトの建設及び運営のプラットフォームでもあります。